小項目「コウテイとオオサマ」

星のヘアライン青中

  

 皆さん、水族館の展示の前で、コウテイペンギン(エンペラーペンギン)と、オオサマペンギン(キングペンギン)の区別がつかなくて、お困りのことってありますよね。確かに、フォルムも、色合いも良く似ています。あれ?どっちだっけ?と悩んでいるうちに時間制限(何の)が来たりして、焦って、とりあえず、良く名前を聞く、「コ、コウテイペンギン!」と答えてしまったりすることってありますよね。

  
  


 

  
 
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   ※この「そんなのどうでもいい」感じが、このサイトの特徴なのでご了承ください。

<コウテイとオオサマの違い>

1 大きさ

 まず、コウテイの方が大きいのです。それは確かです。でも、劇的な差ではありませんので、見分け方として活用するには、「並んでください」とお願いしなくてはならないわけで、それが出来ない以上、役には立ちません。大きさを比べて見分けろ、といのはあまり現実的では無いということです。
※本当に並んでいる姿を見ると、さすがに差は歴然ですけどね。和歌山アドベンチャーワールドなどで見られます。
(2010年3月現在)

2 生息域

 コウテイは南極大陸に、オオサマは、南極「大陸」ではなく、南極にいます。この微妙な違いは言葉遊びではなく、かなり明確な環境の差になります。気温も随分違うのです。南極大陸に住むペンギンは、コウテイとアデリーだけ、のはずです。その影響はありとあらゆるところに出てきますよね。例えばくちばしのどこまで羽毛に覆われているかとか、厳しい環境故の潜水能力などのポテンシャルの違いとか。氷山とペンギンのツーショットのイメージがありますが、世界に18種類と言われているペンギンのほとんどが、むしろ温かい地域に住んでいるそうです。ちょっと意外ですよね。

 先日とある水族館の「アシカの餌やりタイム」で、「何か質問ありますか?」と飼育員さんがおっしゃってくださいましたので、「ええと、アシカとオタリアの見分けが難しくてよく分かりません」とお聞きしたところ、即答で「住んでる所が違います」とお答えいただきました。なるほど。これからは住んでる所で見分けます。ただ、私は思いました。「見ただけでは、住んでる所、分からないのですよ…」と。つまり、生息域が違っても、水族館での見分け方には役立たない、ということですね。残念!

2 配色

 ここからが本格的な見分け方です。コウテイは背中が黒、オオサマは、全体的にグレーで、部分的に黒いのです。コウテイの胸の黄色はかなり明るく、顔と胴のデザインは繋がっています。オオサマの配色は、顔と体は別の人が塗ったようで、フィギアだったら分解できそうにぱっきり分かれています。ここ、結構見分けのポイントです。

 
  
撮影:コウテイペンギン=和歌山アドベンチャーワールド/オオサマペンギン=下田海中水族館
 




3 子ども

 全く外見が違うので、簡単に見分けられます。コウテイは有名な黒とグレーと白で、映画やカレンダーなどにもよく登場します。(ワタシのイラストはともかく、本物は)文句なくかわいい。オオサマは茶色いファンタジーな生き物。かわいい?毛が抜けかけている場合とくに、…かわいい?

  
   この辺が、まあ、外見上の違いです。それでは、観察して分かった大発見(主観)をご紹介しましょう。

4 動作

 コウテイは胸を張って肯定。オオサマは、オーバーアクションで肯定。と覚えてください。歩く時、コウテイペンギンは、胸をはり、偉そうな姿勢でよたよた歩き、あるいはトボガンと呼ばれる腹ですべる進み方をします。ひきかえ、オオサマは、翼を広げ、バランスをとっているのか、ばたばたしながら、やっぱりよたよた歩きます。どの水族館に行っても、歩きさえすれば、概ね見分けることができます。さあ!もう安心ですね。

 
    
撮影:コウテイペンギン=和歌山アドベンチャーワールド/オオサマペンギン=下田海中水族館
     

 ここで重大な発表です。日本でコウテイペンギンがいるのは、名古屋港水族館と、和歌山アドベンチャーワールドだけです。二箇所にしかいないなんて、日本の水族館にとっては、パンダ並の希少動物ということになるわけです。つまり、見分ける必要は無いんですね。オオサマかコウテイっぽいペンギンは、名古屋と和歌山の二箇所以外は、みんなオオサマ、というわけでした。ちゃんちゃん。まあ、テレビや写真を見分けて、「あ、これはコウテイじゃなくて、キングペンギンだよ。オウサマペンギンとも言うけどね」と、周りの人に教えてあげましょう。経験では、98パーセントの人が、「どうでもいい」という内心をのぞかせた半笑いで、「へえ」と言ってくれます。

※水族館の情報は、2010年春現在です。お分かりかとは思いますが、動物も、水族館も生きていますから、状況は日々変わります。ズーストックプロジェクトで、根こそぎ他の水族館に引っ越していたり、根こそぎ展示を見送っていたりすることもありますから、ご訪問される時に、確かめてみてくださいね。

 
   

 ちなみに、コウテイペンギンを日本で最初に飼育したのは上野動物園です。このことはもっと知られていいと思うのですが、当時の上野動物園は壮絶な試行錯誤の末、病気の治療を始めとした飼育方法を確立し、世界的に評価されているそうです。やはり上野動物園はすごいんですね


 2009/12/1脱稿

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