海獣(かいじゅう)ショーって、お好きですか? |
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動物園や水族園の動物たちは、飼育員に懐いているわけではない。餌をくれる人、として認識しているだけ。その関係性は「馴致(じゅんち)」というもので、円滑に世話をしたり、医療措置を適宜施すためのものでしかない。 そうなんだー。心の交流はないんだーと、何とも言えない気分になりました。 もとより、海獣ショーとはいったい何でしょう。海獣ショーは、水族館の華です。私も楽しみにしています。各施設趣向を凝らし、個性のある素晴らしいパフォーマンスを行なっています。知識を得ることも出来ますし、感動することさえあります。 ちょっと前に行った話題の水族館では、観客がトレーナーと海獣にどれくらい面白かったか、得点を付けるしくみになっていました。海獣とトレーナーが、漫才のコンビのようになっていて、お客さんの笑い声が大きいと、トレーナーや海獣にごほうびがあるのだそうです。まあこの辺は、「表向き」かもしれませんが。 そうなんだー。水族館もM1方式かー。と、何とも言えない気分になりました。
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さて、もう一度。海獣ショーとはいったい何でしょう。新旧江ノ島水族館の人気者、ミナミゾウアザラシのミナゾウくんと、飼育員さんの間には、他人が見ても深いつながりを感じました。 |
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どうやったら、ミナゾウの、賢さや、やさしさ、その身体的特徴をお客さんに知ってもらえるのか、良く考えて、日々のふれあいや関わりの中からパフォーマンスを組み立てていることが、ほんの数分間のショーからも伝わってきました。深い信頼関係がなければ、巨体に下敷きにされるかもしれないパフォーマンスは到底出来ないでしょう。 |
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さてさて、本題(?)に戻りましょう。多くの施設で、アシカショーはイルカショーの前座的な役割を果たします。下田海中水族館のアシカショーは、イルカの手触りを瞬間忘れるほどに、感動しました。一日で同じショーを2回見ようと思ったのは、初めてでした。 何がすごいって!水中でショーが行なわれるのです。ディーン・バナールとジョジョのようでした。
(すぐ、あ、あのことね。と思った方は同業者の可能性が高いですね。どちらの施設にお勤めですか?)ディーン・バナールとは、エリザベス女王の命を受け、ジョジョという孤独なイルカの世話をしているダイバーのことです。そんな命を下されたいと、多くのダイバーが思っていることでしょう。4ヶ月間もの旅行になんて、絶対行きません。(ディーンはけろっと行ってしまうのですよ。ジョジョを残して!) |
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改めて、海獣ショーとはいったいなんでしょう。 シナリオの出来や、音楽、設備、ナレーターのテクニック、様々なファクターがあります。ただ、海獣と、人間の交流を見せられた時こそ、どんなに凝った演出もシナリオでも適わない問答無用の感動を与えてくれるのだと、私は思います。 シナリオライターでもある身としては、多少なりとも悔しがった方がいいでしょうか?いえいえ。私は新旧江ノ島水族館のミナゾウくんとトレーナーさんにも、下田海中水族館のアシカとトレーナーさんにも、にこにこ笑って、ばっさばっさと景気良く白旗を振りましょう。 もっともっと白旗を振るショーに出逢いたいものです。 |
2009/12/01脱稿 |